222話

エレナは、戦争の真っ只中にいることになるとは思ってもみなかった。ましてや、その指揮官になるなど。彼女のメイトとベータが群れを離れている今、彼女が次の指揮権を持っていた。ミカエルの心配そうな呼びかけが、彼女のすべきことを告げていた。戦術的なボディスーツを身にまとい、長い黒髪を一本のフレンチ編み込みで背中に垂らした彼女は、シアと対峙する準備ができていた。腹に手を当て、女神に祈った。この危機の時に子供とメイトの安全を守ってくださいと。

部屋を出ると、すでに4人の警備員が彼女を待っていた。「子供たちは？」

「指定の部屋にいます。2人の男が見張っています」と一人が答えた。アルファの家を出ると、彼女は振...